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光陽苑 理事長・加藤さまを訪問 VOL3:「人を育てる」。

介護とは、人が人に行う究極のサービスではないでしょうか。
私たち泉陽会の基本理念は、「できないところをお手伝いさせていただく」こと。決して「してあげる」のではありません。これは今までも、これからも、大切にしていきたいスタンスです。こういった考え方は、MKクリーンさんの「利用者さまの日常にお邪魔させていただく、清掃させていただく」というスタンスとも共通しているところですよね。
介護施設の中には、できるところも至れり尽くせりでやってしまうところもあるかもしれませんが、動ける部分をできるだけ使っていただくことが重要だと私たちは考えています。それは現場にも徹底していて、デイサービスなどでは手洗いやうがいなどの口腔ケアを中心に、できるところまではやっていただくようにしています。だから一見、介護スタッフの対応が冷たいように思えるシーンもあるかもしれませんが、利用者さまのできるところまでやってしまうと、やらなくなってしまう。そのうち、できていたこともできなくなってしまうわけです。利用者さまが長く豊かに暮らせることを大切に、職員も一緒にがんばろうという気持ちで取り組んでいます。
そこで重要になってくるのは、介護士さんやケアマネさんが、利用者さまがどこまでできるのかをしっかり見ること、手を差し伸べるタイミングを判断することなんです。介護とは、人が人に対して行う究極のサービス。だからこそ、私たちがさらに力を入れるべきだと感じているのが「人材育成」なんです。

今後の介護業界に必要な、「人材育成」の取り組み。
自動車業界から介護業界に入って一番驚いたのは、離職率の高さ。これには当初から危機感を抱いていました。そこで、私たちは5年ほど前に人材育成部門を立ち上げ、人材採用・育成への取り組みに力を入れています。
人材育成部門では、主に新人へのきめ細かなフォローを行っています。新卒採用者には入社前に自宅を訪問して保護者の方にご挨拶するところから始まり、計画的にフォローアップ研修を行ったり、配属後にも面談を行ったり。とくに配属後の面談では、直属の上司には言いづらい悩みなどを吸い上げることができ、安心して働ける環境づくりに役立っていますね。上司とは異なる角度からフォローできる存在として人材育成部門が活躍することで、新人職員が長く働いてくれるようになる。結果として、一人ひとりの成長につながるわけです。実際、この取り組みを始めてからご実家を訪問して「大切に育てます」とお伝えした新人職員は、入社6年目になりました。介護福祉士の資格を取得し、ケアマネにも挑戦するなど、非常によくがんばってくれているんです。そういったモチベーションを高められるように、一人ひとりのスタッフが様々な部門を経験し、幅広いスキルを身につけられるような体制も整えようとしています。職員を大切に育てていく姿勢が、出身の福祉系大学や高校へとうまく伝わっていけば、採用人数も増えていくのではないでしょうか。

人とのつながりを大切にし、じっくりと育てていくことが、社会福祉法人としての成長につながる。そうすれば、地域貢献として地元の方々に還元できる範囲も広がる。介護業界全体がそういった流れになるように願いながら、まずは私たちが挑戦していきたいと思っています。

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