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芳洋会 理事・神田さまを訪問 VOL.2:「清掃=経営方針」。

清掃が変わると、内部スタッフの意識も変わる。
MKクリーンさんにお願いしているのは、清掃業務だけではありません。介護職として入社した新人職員への「清掃研修」もお願いしています。現に、若いスタッフは雑巾の絞り方さえ知らない人も多いんです。研修によって正しい方法を身につけ、実際に体験することで、彼らの美観維持に対するアクションも目に見えて変わってきますよ。清掃業務は自分の仕事だという意識が身につき、自然と行動に結びつくようになるんです。日常清掃でMKクリーンさんが施設にいてくれるのは一日の限られた時間だけなので、そういった内部スタッフの意識とアクションが、施設の美観維持に大きな力を発揮しています。また、MKクリーンさんというプロの手によって実現された質の高い衛生環境そのものも、「この美しさをどう保つか」というスタッフの意識を高める良い刺激になっていると思います。
私たちは、「環境管理ができない施設では、介護サービスの品質も維持できない」と考えます。清掃の質と介護の質は比例している――そういった哲学に基づいて、経営と清掃を考えているんです。






「健やかな環境」も介護サービスの一つ、ですよね。
環境管理に関しては、苦い経験があります。棟の増設工事を行っていたときのこと。利用者さまが過ごされる既存の棟にも、少なからず粉じんやホコリが入り、健やかな環境とは言い難い状態でした。その時期にノロウィルスが出たんです。当時はノロウィルス発生時の対処方法が確立されていなかったこともあり、感染が拡大。環境管理が健康管理といかに結び付いているかを痛感しました。今ではその教訓を基に、全職員が嘔吐物の正しい処理方法を身につけて初期対応を行っているので、感染が拡大することはほぼありません。先日も、営業に来られた消毒用品販売会社が施設の空気環境を測定されて、「ここ、手術室と同じ衛生状態ですよ!」と驚かれたほど(笑)、環境管理には真摯に取り組んでいます。
とはいえ、介護施設の環境管理は、内部スタッフだけではどうしても限界はあるものです。だからといって単にアウトソーシングするだけでなく、“どういった施設にしたいのか”“どういったサービスを提供したいのか”といったビジョンをしっかり掲げて考えるべき。そういった観点から考えると、清掃をどう考えるのかということは、施設の経営方針そのものだと言えるでしょう。
――ビジョンをしっかり表明することは、結果的に従業員のモチベーション向上や人材育成にもつながるんです。

……最終回は、介護スタッフの離職率低下を実現した「人材育成の秘訣」についてお聞きします。(続く)

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